カゴバックで有名な莱州の状況に見る、米中貿易戦争の影響

カゴバックの生産地で有名な莱州に行って来ました。

 

最近は頻度は少なくなっていますが、年に数回は菜州にある

アイパックのカバン検品工場を訪れています。

 

今年は繁忙期の訪問でしたが、去年とは違い、

工員の皆さんが効率良く動いてくれていました。

 

去年はカバン検品の発注量がかなり多く、工場内で混乱が起き、

品質が若干落ちていたことで、お客様にご迷惑をおかけした事もありました。

 

そこで今年は去年の経験をもとに対策を取りました。

 

 

1:残業時間をしっかりと決めて工場に通達

2:X線検針器の導入

3:人員の確保(給料ベースを上げて個々の生活に合わせた働き方を尊重)

4:現場の流れの改善

 

 

この改善の結果、毎日夜遅くまで残業せず、

工員のモチベーションを下げること無く

笑顔で次の日を迎えて仕事が出来るようになりました。

 

但し、菜州の当社スタッフに状況を聞いたところ

深刻な問題も発生していました。

 

それは、中国とアメリカの貿易戦争です。

 

時期を決めて関税をかけるアメリカに対して、中国工場は、

今年は早めに出荷した貨物や、キャンセルをされた注文があった事で、

日本向けの仕事に使える工員が増えた事による

納期の前倒しも大きな要因であります。

 

地域の経済打撃が大きいですが、

日本向けのオーダーに対しては追い風となりました。

 

更に懸念材料があります。

 

アメリカ向けのオーダーがなくなる事で、

廃業する工場も出始めている問題です。

 

ただでさえ、カゴバックの編みこみ職人が高齢化し、

人数も減っているのですが、オーダーが無いことで

他の職業に就いて、編みこみの仕事を辞めて行く可能性があります。

 

そうなると地域産業にも影響が出て市の財政の問題にも発展し、

若い人は出稼ぎに出かけて地元に残らない事も考えられます。

 

貿易戦争はこんな田舎の街にも影響を及ぼしている事を実感しました。

 

国と国との関係で左右されるビジネスモデルで

振り回される企業はやはりリスクがあり、真面目にビジネスを

やっていてもいつどうなるか先は読めない事も感じました。

 

この問題については、ベトナムの職人を確保、育成するなど

対策を打ちたいと考えております。

 

当社アイパックは、これまでも何度も国家間の突発的な問題や

世界経済の動向による影響に対処し、乗り越えて来ましたが

これからも常に現状を把握し、会社の立ち位置を確認し、

未来の動向を見据えながら、世界の変化に対応する所存です。

 



ベトナムと中国を基点に日本と世界を繋ぐ

カバン・バック・革小物の国際総合サービス会社

株式会社アイ・パック 代表取締役 藤川 和也