カバン素材業界に見る、イタリア、日本、中国の勢力図

 

世界中からアパレル系や皮革関係のデザイナー、バイヤーが集まる、

イタリア・ミラノで開催されている世界最大級の皮革見本市

LINEA PELLE(リネアペレ)見本市に行ってきました。

 

会場はさながら業界の最新情報の発信基地。

ここから今後の業界のトレンドが読み取れます。

 

フィレンツェのオフィスから展示会場まで、車でおよそ3時間半。

とにかく規模が大きいので、早朝からしっかり情報収集してきました。

 

今回の一番の収穫は、世界的に有名なLIMONTA社(リモンタ社)

との関係ができたことです。

 

LIMONTA社(リモンタ社)は、イタリアの生地メーカーで、

プラダのバッグに、リモンタ社の工業用防水が施された

軽くて強靭なナイロン素材のポコノを使用したことで、

一気に知名度をあげた、世界的な企業です。

 

このリモンタ社、実は当社のフィレンツェオフィスの近くにも事務所があり、

一度そこにお伺いしてから展示会場に行きましたので、

フィレンツェの新規顧客としてとても優遇してくれました。

 

お陰でいろんなサンプル帳を無料でくれました。

 

(近くのナイロン工場はサンプル帳がないので、

 自分で買ってサンプル帳を作り顧客に配りました。)

 

LINEA PELLE(リネアペレ)見本市には昨年も来ていますが、

当時はまだ、フィレンツェのオフィスもなく、会社の登記も未だでしたので

どこのブースに入ってもあまり良い話が聞けなかった所があったのですが、

今回はイタリア国内に会社がある人間と言うことで、

サンプルを無償で送ってくれるとの事。

 

弊社のスタッフの存在による力も有効ですが、

イタリア国内に会社が無いと何も始まらないのだと痛感しました。

 

生地だけではなく、金具やテープや紐等いろいろと見ました。

 

弊社のフィレンツェオフィスの近所にあるパーツ問屋も出展していましたが

大手の会社ということも分かりました。

 

日系企業のブースもいくつかありましたが、

ビジネス目線で冷静に客観視した結論を言うと、

日本の素材でイタリア人が本当に欲しい価値は機能生地でしょうか?

 

特色の無い一般的な商材となると、

色も風合いも価格も納期も注文ロットも在庫数も

イタリアの方が優っている印象です。

 

中国企業のブースは元気でした。

 

特に超極細繊維を売りにしている会社があり、

日本の技術が中国に渡って20年くらいかけて

やっと彼らの新商品として出て来ている感じを受けました。

 

最先端の機能生地分野は、日本企業は先行していると思われがちですが、

これからの中国企業は価格面での優位性が高いので

日本勢も油断は禁物のはずです。

 

イタリアの企業のブースに至っては、中国人の入場を拒否するところもあり、

商品の情報漏洩を警戒しているようです。

 

これは逆に、イタリアも中国の力を認めているという裏返しでしょう。

 

中国の企業は、資本力と模範力とコストダウン能力は今非常に長けています。

どこの国の人も警戒しますね。

 

結論として

 

イタリアの素材開発の凄さも感じました。

 

中国の勢いがすぐそこまで来ているのも感じました。

 

そして、残念ながら

 

日本が置いて行かれてる感じも否めなかった展示会でした。

 

 

 

 

 

ベトナムと中国を基点に日本と世界を繋ぐ

カバン・バック・革小物の国際総合サービス会社

株式会社アイ・パック 代表取締役 藤川 和也