2025年10月中旬、世界有数のラフィア素材産地であるマダガスカル共和国への現地調査を実施いたしました。
1. マダガスカルの概要と市場環境
マダガスカルは、世界銀行の分類においても貧困国の一つに数えられる発展途上国であり、物価水準は現在の中国の30年ほど前の水準に匹敵します。旧宗主国がフランスであるため、公用語はフランス語とマダガスカル語の二言語が使用されています。
主要な輸出品目として工芸品が挙げられ、特に世界的な高級ブランドが調達するラフィア素材は同国の重要な天然資源です。ラフィアを原料としたバッグや家具は、主に欧州市場への輸出が中心となっています。また、クロコダイルの養殖も盛んであり、東南アジアでは見られないような大型の個体が飼育・生息している点も特筆されます。
2. 製造業における労働と管理
今回は特にラフィア素材を用いたバッグ製造工場を視察しました。現地工員の作業は極めて緻密であり、一つ一つの手編みの細かさや使用される色彩の鮮やかさには目を見張るものがありました。
工場の管理体制は、発展途上国特有の困難に対応するため、想定外の事態を予測した上で運用されていました。出勤・退勤の管理から、食事、飲料水、トイレ休憩といった基本的な労働環境の提供、さらには道具や品質の厳格な管理に至るまで、現在の中国やベトナムなどの製造拠点では想定しにくい範囲にまで及ぶ、徹底した現場管理が実施されています。
3. 事業機会と将来展望
発展途上国での事業展開には想定外の困難が伴いますが、同時にその不便さの中にこそ大きなビジネスチャンスが存在するという教訓が、今回の視察を通じて改めて確信されました。
マダガスカルは、現状からこれ以上経済が後退する可能性が低く、今後は上昇局面のみが見込まれる、大きな成長の可能性を秘めた市場です。現地で確認した多数の製品は、デザイン性においても洗練された印象であり、素材供給元としての役割に留まらない、高品質な最終製品の供給ポテンシャルを有しています。
今後は現地関係者との継続的な対話を通じて、長期的なビジネスパートナーシップ構築に向けた接点を見出すことが、事業拡大の重要な鍵となると考えられます。
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日本から中国・ベトナム・イタリアへ世界を繋ぐ
カバン・バック・革小物の国際総合サービス会社
株式会社アイ・パック 代表取締役
イタリアの関連会社 BORSACCO FIORE 代表取締役
藤川 和也














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